稲刈り2025

石巻市立病院　総合診療専攻医
今間聡史さん


稲刈り体験を通して
　今回、地元農家の方の指導のもと、稲刈りという貴重な体験をさせて頂くことができました。この体験を通してまず感じたのは稲刈りの大変さです。技術面においては稲の刈り方や刈った稲の束ね方など、簡単そうに見えて意外と難しい作業であると感じました。体力面でもぬかるむ田んぼに足を取られたり、かがみこむ姿勢になるため腰に負担がかかったりと大変さを痛感しました。さらに精神面でも広大な田んぼの稲を刈っていくという途方もない作業に忍耐力が必要であると感じました。

　また、大変さと同時に収穫する喜びも感じることができました。刈り取った稲穂を見てこれが毎日食べている白米になると考えるととても感慨深く喜ばしい気持ちになりました。農家の方の考えや人となりも知ることができました。今回稲刈り指導をしてくれた方は兼業農家で普段は高校の社会科教師をされているとのことで、地域の歴史にも詳しく、とても興味深いお話も聞かせていただきました。また、田んぼを子供たちが遊びまわれる公園のような場所にしたいと話していたことも印象的でした。

この方に限らず、どの地域においても、自分たちの地域に愛着を持ち、自分たちの職業を通して地域の人たちと関わりを持ち、その地域をより良くしていこうと考えている人たちは多いように思います。私たち総合診療科医もそのような人たちと連携し、地域の方たちの健康に貢献できる余地がまだまだあるようにも感じます。今回の経験を今後の地域医療に活かしていければと思います。